日本電子音楽協会創立20周年記念事業
「時代を超える電子音楽」コンサートとシンポジウム
日本電子音楽協会 Japanese Society for Electric Musicは、1992年に設立され、コンサートを中心に同時代の様々な技術的課題と音楽の美的課題を関連させたアクチュアルな問いを社会に投げかけてきました。日本国内だけでなく、ウィーン、ブタペスト、北京など海外への公演、プラネタリウムでの特別演奏会、映像や舞踏とのコラボレーションなど、このジャンルの音楽をより広い聴取へと開く試みを重ねています。
これらの20年間の地道な活動によって、この協会は、規模においても歴史においてもこのジャンルでは日本でもっとも重要な地位を占めることとなりました。この度、日本電子音楽協会20周年記念事業として、次世代を開拓していく作曲家のコンサート、日本電子音楽協会の創立当時と現代の作品を紹介するコンサート、さらに、60年に及ぶ日本の電子音楽を検証するレクチャーとシンポジウムを開催します。
日時:2013年3月6日(水)、7日(木)、8日(金)
18時開場、18時30分開演
会場:アサヒ・アートスクエア http://asahiartsquare.org/ja/
コンサート入場料(3月6日、7日):3500円
レクチャーとシンポジウム入場料(3月8日):1000円
(3月6日と7日の半券で入場料無料、どちらか1日の半券で500円)
主催:日本電子音楽協会
協力:アサヒビール株式会社
お問い合わせ:info-jsem@jsem.sakura.ne.jp
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1)3月6日(水)コンサート「騒音芸術百年」 構成:渡辺 愛
1913年3月、ルイージ・ルッソロは「騒音芸術(Art of Noise)」を発表し、アートの領域にノイズを注ぎ込んだ……。それから1世紀。ルッソロの100年を受けて、わたしたちがどのようなものを感じ、どのようなものを提示できるのか? 騒音100年、JSEM20年。いま、6組のJSEM新進会員がルッソロへの回答を投げかける。
【プログラム】
大谷安宏:Gu-topia 〜ギターによる音響音楽〜
岡本大典:concerto 1 〜金管楽器&ノイズ〜
佐藤亜矢子:線の記憶 〜電子音響音楽〜 (映像:原沙織)
シニギワ(長嶌寛幸+松井茂):Roadside Picnic 〜サラウンド音響+映像(加藤直輝)〜
古澤 彰:Electronic Interaction 2013 〜ライブパフォーマンス〜
安野太郎:ゾンビ音楽 〜リコーダー演奏機械(ゾンビ)による〜
※安野作品以外、全てマルチチャンネルで演奏されます
2)3月7日(木)コンサート「不易流行〜JSEMから未来へ〜」構成:水野みか子
日本の電子音楽の歴史の中でJSEMが果たした20年間を振り返るため、JSEM創設当時の定期演奏会出品作品を何作品か再演するとともに、「いま」という時代を浮き彫りにするような、斬新な新作を発表。
【プログラム】
岩崎 真:《Aria》 第一回定期演奏会より (テープ演奏)
南 弘明:《語りと電子音による「蜘蛛の糸」》 第二回定期演奏会より (テープ作品,リマスター版)
松井昭彦:《Nature》 第三回定期演奏会より(テープ演奏)
水野みか子:《MS-aki ヴァイオリンとコンピュータのための》(ヴァイオリン 中川さと子)
由雄正恒:《continuo No.4 クラリネットとコンピュータのための》 (クラリネット 満江菜穂子)
石井紘美:《SHINRA 〜8ch Acousmatic》
福島 諭:《BUNDLE IMPACTOR》(クラリネット 伊藤めぐみ 、櫻田はるか、オーボエ 山口裕加、サックス 濱地潤一)
3)3月8日(金)
レクチャーとシンポジウム「日本の電子音楽〜60年の歴史的検証〜」構成:西岡龍彦
一般財団法人カワイサウンド技術・音楽振興財団 平成24年度助成
1950年代のNHK電子音楽スタジオと草月ホールなど民間のスタジオ、1960年代の東京藝術大学音響研研究室が日本の電子音楽の出発点であり、これらの創成期から今日まで60年に及ぶ日本の電子音楽の特質を作品再生とレクチャー、シンポジウムによって明らかにする。
・レクチャー
「NHK電子音楽スタジオ〜音の始原を求めて〜」佐藤 茂(元NHK音響技術)
「電子楽器開発の成功と失敗」則安治男(元MIDI規格協議会会長)
・シンポジウム「日本の電子音楽〜60年の歴史的検証〜」
司会・進行:西岡龍彦
パネリスト:川崎弘二、沼野雄司、水野みか子