JSEM電子音楽カレンダー/今月のピックアップ特別篇「電子音楽なう! vol. 5 in 大阪」1

 

 

JSEM電子音楽カレンダーでは、担当の川崎弘二が、カレンダーに掲載されている各種イベントを「今月のピックアップ」として月イチでご紹介しております。

2016 年 3 月 18 日 (金) に日本電子音楽協会の主催により、BEARS(大阪)にて、コンサート「電子音楽なう! vol. 5 in 大阪」が開催されます。

このコンサートにご出演される Molecule Plane(大塚勇樹)さん、門脇 治さん、RAKASU PROJECT.(落 晃子)さんに、今回のコンサートについてのお話しを電子メールでお伺いしました。

 

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電子音楽なう! vol.5 in 大阪
2016 年 3 月 18 日 (金) 開場:18:30 開演:19:00
会場:BEARS(大阪)
料金:¥2,000

 

成本理香 / The Sealed Forest II for flute and electroacoustics(フルート: 丹下聡子)
Molecule Plane / Acousticophillia
門脇 治 / オーロラ #2.5
RAKASU PROJECT. / 見えない音
石上和也+かつふじたまこ+泉川獅道 / Wabient Sabient – 侘び縁と 寂び縁と – ver 0.0
由雄正恒 / Air No. 3 for Leap-motion and Max (2016)

 

企画構成:石上和也、かつふじたまこ、泉川獅道、由雄正恒
主催:日本電子音楽協会
お問い合わせ:石上和也 mail@neus318.com

 

 

 

Molecule Plane(大塚勇樹)さんインタビュー

 

■日本電子音楽協会との関わりについて教えていただけますか。

大阪芸術大学大学院を卒業後、昭和音楽大学の由雄先生にお誘い頂き、入会しました。何年も所属している割に、日本電子音楽協会のイベントに出演するのは実は初めてです。

 

■今回の「電子音楽なう!」で演奏される作品の内容や 、上演の形態について、現時点でのご予定などお話しいただけますか。

「Molecule Plane」名義で現在制作中のアルバムより新曲を演奏する予定で、この名義での作品をアクースモニウムで上演する事はこれまでに何度かありましたが、ライブ形式では初です。

「Acousticophilia(=音響性愛)」というタイトルですが、これは作品名というよりも制作中のアルバムのテーマのようなものです。

 

■「電子音楽なう!」は広い意味での電子音楽の「現在」を提示するイベントなのではないかと思います。ご自身の作品における「現在」の要素について教えていただけますでしょうか。

ここ数年は「Acousticophilia」という言葉の意味にあるように、音色と音響に特化し、持続的なサウンドでありながらも、さながら「ドローン・パンク」「アンビエント・パンク」とも呼べるようなエッジの効いたものを目指して作り続けているわけですが、同時に「オーディオ的に矯正されない音楽/オーディオ的に正しいとされることからの逸脱」でもあると思っています。そしてそれは、音楽として聴きにくかったり耳が痛くなったりといったヒステリックな要素を取り除いていくこととは全く矛盾しません。

また、素材となる音や音楽そのものはあくまで録音されたアナログ・シンセサイザーの音やフィールド・レコーディングに基づいてはいるのですが、それって実は物凄く今っぽいというか、ここ数 年の電子音楽にとっての現在進行形の大切な要素ではないかと思います。

 

■聴衆のみなさまに向けて、一言お願いいたします!
例えば「癒し」と「暴力衝動」といったような、一見正反対に位置するようなものでも実は一つの音楽に同居し得ると考えています。そういった事を可能にし、また等しく扱うことができるのも電子音楽の醍醐味だと思いますので、是非体験しに来てください。

 

 

門脇 治さんインタビュー

 

■日本電子音楽協会との関わりについて教えていただけますか。

仙台で電子音楽と言えば、日本電子音楽協会の理事をされていた岡﨑光治先生です。仙台電子音楽協会設立および演奏会をお手伝いさせていただきましたが、その後彼に薦められて日本電子音楽協会に入会させていただきました。定期演奏会や「なう」に何度か出品させていただいております。現場に立ち会うことが一番です。

 

■今回の「電子音楽なう!」で演奏される作品の内容や、上演の形態について、現時点でのご予定などお話しいただけますか。

#2 はピアノの生演奏を伴います(まさに今演奏し終えたところ)が、#2.5 は生音なしで演奏してみます。

 

■「電子音楽なう!」は広い意味での電子音楽の「現在」を提示するイベントなのではないかと思います。ご自身の作品における「現在」の要素について教えていただけますでしょうか。

ピアノのサンプリング音源の音響はもの凄く進歩していますが、ハーモニクスの音響は市場にないと思われます。そこで、ピアノのハーモニクスをサンプリングしたものをメインに構成しようと思ったのが、この作品です。技術的に出来る事と出来ない事においての「現在」。そこでこういうことをやってみようかという私の「現在」。

 

■聴衆のみなさまに向けて、一言お願いいたします!

「なう」を共有しましょう。

 

 

RAKASU PROJECT.(落 晃子)さんインタビュー

 

■日本電子音楽協会との関わりについて教えていただけますか。

石上和也さんからご紹介をいただき、2014 年度に入会いたしました。同年の電子音楽なう!vol. 3 にも出演させていただきました。

 

■今回の「電子音楽なう!」で演奏される作品の内容や、上演の形態について、現時点でのご予定などお話しいただけますか。

今回は、昔の黒電話の音声録音用マイク「テレフォンピックアップ」を使い、様々な電子機器・電気器具類から発せられる電磁波ノイズを拾い、エフェクタ等で加工しながら即興演奏をする予定です。目には見えないけど、そこに確かに存在する何かを探りあてていく試みです。

 

■「電子音楽なう!」は広い意味での電子音楽の「現在」を提示するイベントなのではないかと思います。ご自身の作品における「現在」の要素について教えていただけますでしょうか。

「電子音楽」の「現在」というわけではないのですが、今回の演奏に関して言えば、その時その場にあるものから発するノイズを音源と致しますので、まさに「現在」を炙り出す試みであると考えております。

 

■聴衆のみなさまに向けて、一言お願いいたします!

即興なので、当日どんなふうになるか、本人にも予測できない部分が多々あります。何か、おかしな・面白いノイズの発生する機器をご存知でしたら、ぜひご一報ください。

 

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